浅草・上野

縫い目が徐々にほころびてきた感じの浅草・上野は、勤勉性を大切にする東京の下町文化を守っている。

隅田川をはさみ墨田区の対岸に位置する浅草・上野では、新しいショッピングセンターが立ち並び始めているにも関わらず、江戸情緒が感じられる。

墨田川の向こうにはスカイツリーがそびえ、現代の東京が手に取るように見える。

コンテンポラリーな店舗と伝統的な建物が入り混ざる風景も見られる。

今と昔が上手く混ざり合わない風景も見られる。

伝統的な移動手段がリアルタイムのシャッターチャンスにつながるときは、昔と今が混ざり合うチャンス。

住民やビジターの多くは、昔の東京を味わおうと浅草・上野にやって来る。

道端の一画が小さな飲食店の仮設テラス席として充てられ、食事客がラーメンをすすったり、焼酎をちびちびやったり。

地元の施設や機関が浅草・上野の個々の要素を織り交ぜ、ユニークな全体像を作り上げている。

神谷バーの相席では、人々の間で会話が交わされ、デンキブランが飲み交わされる。デンキブランは神谷バーオリジナルの甘いブランデーに似た琥珀色のリキュールだ。

馳走であった。

浅草寺の雷門をくぐれば、浅草・上野界隈で唯一地元住民より外国人の方が多いスポットに到着だ。

浅草寺とその周辺エリアはお土産を買う人たち、地域特産の軽食を頬張る人たち、そして本堂隣りの浅草神社で祈願を書いて絵馬を奉納する人たちで賑わう。

お祭りの期間中は、浅草寺で歌舞伎が上演される。

お祭りの期間外には、拝観者たちはクラフト品の露店をのぞいたり、日本で人気の定番、焼きそばをできたての熱いうちに頬張ったり。

浅草寺ではしばしばイベントも執り行われる。

結婚式を挙げる花嫁、花婿。

いいことが沢山ありますように。

浅草寺の山門を出ると、周辺エリアの無数の店や屋台からお土産より取り見取り。

和風菓子を作る過程を見ることもできる。

あちこちでつまみ食いすることもできる。

やがて浅草は夕闇に包まれる。

明日になれば浅草寺の上にまた日が昇る。

浅草・上野が細い道や小さな家で詰まっているとしたら、それは単に日本で絶大な人気を誇る、広大でエレガントな公園、上野公園が収まるスペースを空けるために過ぎないのかもしれない。

上野動物園（初めてパンダを飼育した動物園のひとつとして格付けされ、誇りの源となっている）、下町風俗資料館を含むいくつもの博物館や美術館、そして蓮が美しい不忍池を包有する上野公園には世界中からの人々が訪れる。

お花見シーズンには、一番いい場所に1日中陣取る花見客も。

上野公園の屋外席や屋内の屋台は、日本の伝統的な味を提供している。

地元東京住民も海外からの旅行者も同じように上野公園をシェア。

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かつては北日本からの全ての電車の終着駅だった上野駅は、今日でも北日本と東日本をつなぐ交通の要としての役割を担っている。

上野駅とその周辺の賑わい。

ポケットサイズの遊園地は今でも子供たちの大きなエンターテインメント源。

ローラーコースターや遊園地独特のお菓子が1歳から100歳までの子供たちを誘惑。

浅草では1年を通して日本固有の信仰である神道の色々な祭祀が斎行される。

5月第三週の金土日には、浅草神社のご三神を祀り浅草三社祭が行われる。

三社祭は東京の過去の世代を称え、今の東京を祝う。

神輿を肩に浅草の通りを練り歩く担ぎ手たち。

担ぎ手たちは一緒になって神聖な乗り物を持ち上げ担ぎ、調子良く掛け声をかけながら練り歩く。

素晴らしい1 年になりますよう、ご健康とご多幸をお祈りします！

渋谷や新宿と違い、浅草・上野のナイトライフはこじんまりした集まりや近所の店が中心。

提灯が夜道を照らし、街角では易者が小さな机を広げる。

隅田川が明るく照らされる。

通りは柔らかく輝く。

ゆったりした時間が流れる。

お巡りさんが安全を守る。